口唇口蓋裂
口唇口蓋裂って何?
赤ちゃんの口唇や上あご(口蓋)に生まれながら裂けが生じる疾患で、日本では約500人に1人の割合とも言われています。
症状は多様で、治療も新生児から始まります。成長に応じて、治療内容が変わってくるので、青年期・成人になるまで長期にわたります。


成長に応じた治療を
行いながら
他科と連携して
治療をサポートします
歯科・口腔外科、形成外科、耳鼻咽喉科、小児科、言語聴覚士など多種多様なメンバーでチームを組み、ご家族のみなさまのケアも含めて寄り添う治療を心がけています。
長期的な治療となり費用も心配だとは思いますが、国の制度として育成医療や更生医療、自治体の制度では子ども医療費助成制度もございます。また、当クリニックは指定自立支援医療機関(育成医療・構成医療)のため、様々な制度もご活用いただけるようサポートいたします。
治療方法
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ホッツ床
ほ乳床や口蓋床ともよばれます。歯茎から口蓋までに裂け目がある場合、 その裂け目をふさぐ目的で、上あごにつけます。
ホッツ床を装着することにより哺乳が可能となります。
お母さんへの授乳サポートや指導と併せて哺乳を援助いたします。 -
閉鎖床
口蓋形成術(上あごを閉じる手術)後、 小さな穴が残り、話をしたり食事をしたときに鼻から空気や食べ物や汁が出て来ることがあります。
この場合、閉鎖床と呼ばれる樹脂製のプレートを装着します。こうすることで話したり食べたりする機能を十分発揮することができます。 -
顎裂・骨移植
顎裂(歯の生えている歯茎の裂)の部分は歯ぐきから鼻の付け根にかけて骨がないため、歯がうまく生えません。この部分に骨を移植します。(自分の腰骨を使用することが一般的です。)
歯並びが良くない場合はまず矯正治療を行い、手術の時期は顎裂に隣在する歯が萌出する少し前に行います。また手術の直前に、術後の傷の保護と歯列の安定を目的に上顎歯列に”シーネ”を装着します。 -
成長に合わせたサポート
1歳から1歳半頃を目安に裂けた部分を繋ぎ合わせる形成手術を行いますが、歯が生え始めると歯並びが悪かったり正しい発音で話せないこともあります。そのため術後も青年期(18歳頃)まで経過観察をしながら、必要に応じて歯科矯正や言語訓練、新版K式発達検査や知能検査(WISC-V)を行います。